Vol.09 TGR 86/BRZ Race 2017 鈴鹿サーキット
2017.10.25
10月19日(木)スポーツ走行
86/BRZレース 第9戦は前週にF1が開催された、三重県の鈴鹿サーキットで開催された。今回も大阪トヨタ86レーシングからは市森・阪口両ドライバーが参戦。レースウィークを通して雨の予報となりウェットでの走行を想定しレースに臨む。
また、今大会より、ブリジストン、グッドイヤー共にニュータイヤが投入され、ヨコハマ、ダンロップとのタイヤ競争も注目のポイントとなった。
走行練習の為、サーキット入りし両車のセットアップを開始。ところが、予想以上の雨量によりコースコンディションが悪く、コースアウトやクラッシュが続出し赤旗中断が続く。
大阪トヨタ86レーシングにも雨の影響が発生、#32 市森選手がバックストレートで右フロントを他車と接触。幸い足回りに大きな損傷はなくその後も予定通り練習走行を終え、タイヤ内圧データを確認する。
雨が落ち着いたかと思った練習走行3本目には#90 阪口選手がスプーンコーナーで右リヤを他車と接触しダメージを負う。
次の走行枠までのインターバルで修理が出来るか微妙な中、チームクルー一丸となり修理を行い、何とか走行枠に間に合い練習走行が終了。
度重なるアクシデントは発生したが、初日の手応えとして両車ともに好感触を得て翌日の専有走行へと挑む事となる。
10月20日(金)専有走行
前日に比べて雨量が少なくコースコンディションも良好となった。専有走行からは各車タイム計測が行われ、ライバルとのタイム差を確認出来る。 午前中のスポーツ走行では#32 市森選手のトランスミッションから異音が発生し、急遽トランスミッション交換が余儀なくされた。熟練のメカニックにより1時間足らずでトランスミッション交換が完了し両車共に専有走行を迎える。
専有走行開始時には雨は小康状態となり、時間が経過するごとに路面はドライに近づく極めて難しいコースコンディションとなった。
そんな中、#32 市森選手が2’33’627とトップタイムを刻む。続いてアタックに入った#90 阪口選手が#32 市森選手を上回る、2‘33’186を記録。
大阪トヨタ86レーシングの2台がワンツーを独占し専有走行は終了。好調を維持したまま翌日の予選へ。
10月21日(土)予選
台風の影響もあり朝から雨が降り続く空模様。86/BRZレース以外の予選も行われているがコースアウトやクラッシュが続出するコースコンディション。 15:00から開始予定の予選が20分ほど遅れて開始すると、各車一斉にアタックを開始。ウェット路面ではタイヤを暖める為、周回を重ねタイムを上げていく事となる。
そんな中、#90 阪口選手だけが1周目に2分39秒台のタイムを記録。2周目には2‘38’839を記録。
その後も各車がアタックを続け#1 佐々木選手が2‘38’985と迫るも上回る事は出来ず#90 阪口選手のポールポジションが決定。
#32 市森選手も懸命のアタックを続け、2‘42’490と15位のポジションを獲得。
予選結果を振り返ると、1位から9位までがBSタイヤ装着車とBSタイヤのウェット性能の高さが際立った結果となった。
ポールポジション獲得の喜びも束の間に、公式アナウンスより10月22日(日)の全レース中止の案内が入る。
これにより、#90 阪口選手のポールポジションは幻となるが大阪トヨタ86レーシングとして速さを見せる事が出来た良いレースウィークとなった。
チーム コメント
大阪トヨタ86レーシングチームとして、公式戦初のポールポジションを獲得する事が出来ました。
予選後に台風21号により決勝レースは中止となりましたが、見に来て頂くファンの皆様があってのレースですので正しい決断であったと思います。
大阪トヨタ86レーシングチームとしては好調さをキープし最終戦の富士へと繋げていきたいと思います。今シーズンも残り1戦となりましたが、皆様からの応援に応えられるよう上位を目指して頑張ります。
#32 市森 友明選手
まず、相方の阪口選手おめでとうございます。 #32号車もポテンシャルがあっただけに路面がドライであれば勝負出来ただけに残念です。
最終戦富士では、昨年の再現ポールポジション獲得を狙いにいきます。
#90 阪口 良平選手
ドライバーとして鈴鹿でポールポジション獲得は格別なものです。
これもチームが一丸となり最高のマシンを仕上げ、またご支援頂いている社員の皆様、サプライヤー様のおかげだと思っています。
本当に有難うございました。
Vol.07 TGR 86/BRZ Race 2017 富士スピードウェイ
2017.09.06
8月30日(水)/31日(木)スポーツ走行
86/BRZレース2017 第7戦は今年2回目となる富士スピードウェイで開催された。第3戦での雪辱を晴らすべく、万全の体制でレースウィークに臨んだ。
今回もプロフェッショナルクラス2台体制でのエントリー。今回のエントリー台数は37台と大量エントリーのため、予選でいかに上位のグリッドを獲得できるかが勝敗に大きく影響する。
大阪トヨタ86レーシングは8月30日(水)から現地入りし、#32号車、#90号車のセットアップを実施。今回もエンジニア研修として高槻店より1名のエンジニアが参加している。
#90号車は前回の第6戦十勝でのクラッシュの影響により、セットアップが決まらず翌日に持ち越しとなる。#32号車は前回テストのセットアップから大幅な変更もなく順調に走行を重ねる。
翌31日(木)も#90号車のセットアップを重点的に行い翌日の予選に備える。
9月1日(金)専有、予選
午前中に専有走行、夕方より公式予選となる。専有走行からは、各車タイム計測が行われ、現時点での順位が発表される。
結果、#32号車 市森選手が2分6秒123と全体3位、#90号車 阪口選手が2分6秒527と全体9位となる。
専有走行の結果をうけ、予選までの時間を使い#90号車の最終セットアップを実施。予選開始までに何とか整備を完了し予選に臨む。
結果は#32号車 市森選手がタイムアタック中のアクシデントに見舞われるも10位を獲得。#90号車 阪口選手は懸命のドライビングも14位となり翌日の決勝へ向け準備。
9月2日(土)決勝
決勝当日は明け方から大雨に見舞われるも夕方のスタート時にはドライ路面となり、気温、路面温度ともに高くなった。
両車担当メカニックによる整備によりマシンの状態も良好。フォーメーションラップ後にいよいよプロフェッショナルクラスのスタート。
#32号車 市森選手は上々のスタートを決め、オープニングラップで3台をオーバーテイク。#90号車 阪口選手も1台をオーバーテイクしオープニングラップはそれぞれ7位、13位で通過。
2周目には#90号車 阪口選手が2台をオーバーテイクし11位に順位を上げる。
4位集団の#32号車 市森選手も3周目に6位に上がり更なるオーバーテイクを狙い、7周目には5位まで順位を上げる事に成功。
#90号車 阪口選手は入賞ラインの10位まであとひとつのポジションから果敢に攻め、8周目1コーナーで前方車両のイン側からオーバーテイクし10位に浮上。
4位争いの#32号車 市森選手は#369号車 平中選手へのプレッシャーを強めるもオーバーテイクには至らず、両者順位をキープしたままチェッカー。
最終順位は#32号車 市森選手が5位、#90号車 阪口選手が10位と大阪トヨタ86レーシング初のダブル入賞と公式戦最高位を獲得。
チーム コメント
大阪トヨタ86レーシング初のダブル入賞が達成でき、とても良い結果のレースとなった。次戦は両ドライバーともに得意とするスポーツランドSUGOでの開催であり、万全の体制で上位入賞を目指します。
#32 市森 友明選手
久しぶりの上位入賞で喜ぶ半面、予選の悔しさが残るレースでした。次戦の菅生でもこの流れにのって上位入賞を目指したい。
#90 阪口 良平選手
レースウィークを通して、リヤの挙動が安定せず、なかなか思うように走れず苦労したが、なんとか決勝では10位に入る事ができよかった。
Vol.08 TGR 86/BRZ Race 2017 スポーツランドSUGO
2017.09.05
9月29日(金)スポーツ走行、占有走行
今シーズンも残すところ3戦となった86/BRZ レース。
第8戦は宮城県のスポーツランドSUGOにて開催された。 大阪トヨタ86レーシングからは市森・阪口両ドライバーが参戦。どちらのドライバーも菅生を得意としており、おのずと期待が高まる。
今回のレースウィークは9月29日(金)の専有走行からの現地入りとなり、少ない走行本数でセットアップを行う必要があり、決勝レースでは抜きどころの少ないサーキットとして有名な菅生の為、予選でいかに上位に入れるかが鍵となる。
#32 市森選手は富士のセットアップを元に走行を重ね、予選、決勝時のタイヤ内圧データを蓄積し#90 阪口選手は前戦の富士から続くリヤのオーバーステアに悩まされながらも、担当エンジニアとの話し合いの中、着実にセットアップの方向を決めていく。
午後に行われた専有走行では公式タイム計測が開始され現時点でのライバル勢とのタイム差を確認。菅生よりニュータイヤが投入されたヨコハマタイヤ勢が上位を独占し速さを見せる結果となる。
専有時点では#32 市森選手14位、#90 阪口選手が15位とライバルに差をつけられた厳しい状況となる。
練習走行最後の3本目には#32 市森選手にトラブルが発生。コーナー立ち上がりでエンジンが吹けない症状が発生し、タイムが伸び悩む。翌日の予選までに原因と対応方法を考えなければいけない。
#90 阪口選手は担当エンジニアとの話し合いによりセットアップを変更し大きくタイムアップ。
9月30日(土)公式予選
9月30日(土)は決勝レースを大きく左右する公式予選が行われる。#32 市森選手は前日のトラブル回避に向け担当エンジニアと話し合い対応策を見出す。
両車共に予選開始と同時にタイムアタックを開始。まず#32 市森選手がコントロールタワーを通過。タイムは1分40秒048と思うようにタイムが伸びず。
続いて#90 阪口選手がコントロールタワーを通過。タイムは1分39秒688と通過時点でポールポジションを獲得。両車計測を終えライバルの計測を待つ。
PIT内でモニターを見つめライバルのタイムに一喜一憂する場面が見られる。予選終盤にいよいよヨコハマタイヤ勢が計測をスタート。
#90 阪口選手は3台に抜かれるも、ヨコハマタイヤ勢の間に入り込む4位を獲得。#32 市森選手は16位となる。
10月1日(日)決勝
10月1日(日)いよいよ決勝当日。天候は晴れ、気温も上昇し路面温度も高くなる中、各車決勝へ向けた整備を行う。
12時30分より13LAPで争われるレースがいよいよスタート。両車スタートを決め#32 市森選手は1つポジションをアップ。
#90 阪口選手は順位をキープしオープニングラップを通過。
決勝レースでもヨコハマタイヤ勢の速さが見られ#90 阪口選手は防戦気味となり、5周目に#287 山下選手に抜かれるも、その後は#17 織戸選手の追い上げを守りきり5位でチェッカー。
#32 市森選手は5周目にヘアピンコーナーで後続車両に追突され5台にオーバーテイクされる。
その後も前方車両へのプッシュを続けるも抜きどころの少ない菅生ではオーバーテイクできず21位でチェッカーを受ける。
優勝はポールトゥウィンの#82 谷口選手が2年ぶりとなる勝利を勝ち取り、ヨコハマタイヤ勢が1-2-3-4-6位を占める結果となった。
チーム コメント
大阪トヨタ86レーシングチームとしては、2戦連続となる5位入賞を達成する事が出来ました。但し、結果からも分かるようにヨコハマタイヤ勢の速さが目立つ結果となりました。
また、#32 市森選手は決勝レース中のアクシデントにより順位を落としましたが、次戦の鈴鹿に向け2台共に準備し3戦連続での入賞を目指したいと思います。
次戦は鈴鹿サーキットで開催されますので、是非とも応援の程よろしくお願いします。
#32 市森 友明選手
車も心もボロボロになりました。全ては予選の最終コーナーにつきます。 一番得意な菅生でこの結果は厳しいですが、次の鈴鹿にチャンスがある限り頑張ります!
#90 阪口 良平選手
十勝のクラッシュから続くオーバーステアをチームがしっかりとテストしてくれた事で予選では結果に繋げることが出来ました。
決勝では結果は5位ですが、やはりオーバーステアが強く、今のマシンでは精一杯の結果でしたね。
Vol.05,06 TGR 86/BRZ Race 2017 十勝スピードウェイ
2017.08.02
7月28日(金)プロクラス練習、専有
約1年振りの十勝スピードウェイ。この日の走行予定は練習走行が2本、86/BRZ専有走行が1本の計3本である。午後から雨の予報ということもあり、早い段階でのセッティングの方向性やデータ取りが要求される。
練習走行① 気温20℃、路面温度22℃。今にも雨が降りそうな中での走行となる。ベストタイムは#32市森選手が1分37秒42。#90阪口選手が1分36秒12と他チームとの比較でも上々の滑り出しとなる。走行終了前に雨が降り出す。
専有走行 気温20℃、路面温度22℃。降り出した雨も一時的にやみ、路面はかろうじてドライ。#32 市森選手1分36秒253で8番手タイム。#90 阪口選手1分36秒566で15番手タイムをマーク。
練習走行② ついに雨が降り出してしまう。気温20℃、路面温度22℃。今後の事も踏まえ、雨のデータ取りを行うべく走行に挑む。ベストタイムは#32 市森選手が1分43秒03、#90 阪口選手が1分43秒00。
予定していたメニューを全てこなし、ドライ、ウエット共にデータもしっかりと取れた1日となった。走行終了後、車両の点検、整備を実施し、明日の予選に備える。
7月29日(土)vol.05 予選
昨日の雨も朝になるとコースはドライ。公式予選もドライコンディションで開催された。このvol.05・vol.06十勝ラウンドは2戦でタイヤが計6本しか使えないため、いつも以上にチームのストラテジーが重要視されるラウンドとなる。
気温24℃、路面温度27℃。曇り空で風もなく過ごしやすい気候であった。
クリアラップを取る為にも出来る限り早くコースインさせる事が重要なこの予選、比較的早めに2台を並べる事に成功。10時55分、公式予選スタート。
早々と2台連なってコースイン。タイヤを温存しなければならない事もあり、2台ともに1周でアタックは終了。
#32 市森選手が1分36秒388で決勝14番手スタート。#90 阪口選手が1分36秒092で決勝4番手スタートを決める。表彰台、ポイント獲得の期待がかかる。
7月29日(土)vol.05 決勝
予選終了から約3時間後、決勝レースが開催された。曇り空も昼頃には雲ひとつ無い快晴となり、強い日差しが照り付ける。
気温30℃、路面温度35℃。このレースウィーク中で最高を記録する。ドライバー、クルマには過酷な状況となる。
予定より20分ほど遅れて10LAPで決勝レースがスタート。2台共に素晴らしいスタートを決めるが、#90 阪口選手が先行車とのバトル中に最終コーナーでスピン。
ポジションを大きく落としてしまう。その後、阪口選手は7周目にピットインし、使用可能な残りのタイヤに交換する。
翌日のvol.06のスターティンググリッドはこの決勝のベストタイム順で決まるため、それを睨んだタイムアタックに挑む戦略に切り替える為である。
一方の#32 市森選手はタイヤのグリップが厳しく、苦しい展開ながらも、先行する3台をパス。#32市森選手が10位入賞、#90 阪口選手が19位でレースを終える。
翌日の決勝グリッドは#32 市森選手は19番手、#90 阪口選手は13番手スタートにとどまった。
7月30日(日)vol.06 決勝
昨日の決勝のベストラップ順でスターティンググリッドが決まるこのvol.06。#32 市森選手が19番グリッド、#90 阪口選手が13番グリッドからのスタートとなる。
気温30℃、路面温度36℃。昨日同様強い日差しの中14ラップで争われる。
15時04分決勝レーススタート。vol.05同様2台とも素晴らしいスタートを決める。しかしながら1コーナー手前で#90 阪口選手と後続車が接触。
最終的に4台が絡む多重クラッシュとなる。このクラッシュで#90 阪口選手は再スタート出来ず、残念ながらそのままリタイヤとなる。
このクラッシュでレースは赤旗中断。セーフティーカーが導入され2周先導。車両回収の後、クラッシュで再スタートが切れない4台を除いた22台で再スタートが切られた。
再スタート後、膠着状態が続いたが、激しいバトルの末に先行車をパス。そのままの順位をキープし、最終的に14位でチェッカーを受ける。
チーム コメント
今回のレースではテスト走行やセッティングにも力を入れて何とか上位に食い込もうという意気込みで臨みました。
練習・専有走行、予選とチームとしては好調をキープしていたと思います。vol.05では市森選手の頑張りで何とか1ポイント獲得はできましたが、阪口選手につきましては2レースとも不運が重なった結果となってしまいました。
レースはそんなに甘いものではなく、結果的に足元をすくわれる形になり、もっとドライバーとクルー、チーム一体となってメンバー一人ひとりの力またお互いに認め合い協力し合うことがとても大切だと感じました。
今一度原点に戻り、もっとドライバーを支え良い車づくりをしていきたいと考えます。次戦は最善の準備で挑みます。引き続き応援よろしくお願いします。
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