Vol.09 TGR 86/BRZ Race 2016 富士スピードウェイ
2016.11.30
2016年シーズン最後のレース!舞台は富士スピードウェイ。
前回の鈴鹿にてランキングは決定しているが、大阪トヨタ86レーシングチームにとってはシーズンどこまで成長できたのか確かめる貴重なレース。 今年度圧倒的な強さを見せるブリジストン(BS)勢に巻き返しを図るべく、
富士第4戦より新タイヤを投入したヨコハマ(YH)、十勝戦よりグッドイヤー(GY)・ダンロップ(DL)タイヤ勢復活の兆しもありタイヤメーカーバトルもこの富士特別戦が最終戦となる。 週半ばの積雪、決勝前夜の雨、D1車両のデモラン・ヴィッツレースによる路面の状態もマシンのコンディションに大きく影響を与えることが予想されるレース展開の全く読めないレース展開となりました。
鈴鹿サーキットで行われた最終戦で年間8戦のシリーズが終了しているTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZレースですが、年間のポイントランキング上位20位以上のチームが招待される特別戦が11月27日に富士スピードウェイにて開催されました。
“大阪トヨタ86レーシング”チームも昨年に引き続き上位12位の位置につけていた為、この晴れ舞台にご招待を頂きました。
各チーム共、本気のプロドライバーの参戦となり、去年以上の盛り上がりでした。24日の練習走行並びに25日の専有走行(公式タイム計測)に万全の態勢で挑むべく23日に現地入りするも、前日からの雪の影響で両日とも中止となり、大変厳しい幕開けのレース開催となりました。
前回の鈴鹿戦でランキングは決定した今年度の86/BRZレース活動でありましたが、来年度を見据えた中で、もう一度本年度の総括としてこのチームでどれだけの順位とタイムを残せるのか、今一度確認ができる他にないチャレンジの場と位置付け参加することとなりました。今回も各自がテーマを持ってこの特別戦に挑み、役割をしっかり果たすことで86/BRZプロクラスで、「どの位置まで成長できたか?」、「昨年の実績を上回れるのか?」確かめたいと思います。
11月26日(土)予選
今回のレースは今までに経験のない、練習走行無しのぶっつけ本番で予選のスタート。今年1年間の活動の真価が問われる瞬間。
トモアキ選手は慎重にアウトラップをこなし、タイムアタックに入る。しかし周半ばの雪が大きく影響しコースは所どころ濡れた場所が残るコースコンディション。
周りの気温も低くタイヤの発熱に影響、思った以上に温度が上がらずペースを上げる事が出来ない苦しい周回が続いた。
そんな状況下でも落ち着いた走りを見せ4週目にベストラップを出しマシンをピットに向けた。
コースの状況をじっと見つめるトモアキ選手、明日の決勝を見据えてタイヤを温存するか更にタイムを削るべくラップを重ねるか限られた時間の中で難しい選択を迫られる。
悩みに悩んだ未ピットを出るもプロ・クラブマン混走という難しい環境下で思うようにペースを上げる事が出来なかった。
予選の暫定結果は10位だが、他チームがペナルティを受けたため、順位を一つ上げ9位と上位入賞圏内のポジションを獲得することとなった。
明日の決勝に磐石の体制で挑むべくマシンセット見直しを実施。段取り良く整備を行い初日は終了した。
11月27日(日)決勝
決勝当日、前夜から降り出した雨は明け方に上がったものの、冬の曇り空の下では、路面はなかなか乾かず、セミウェットの状態となる。
朝からのイベントやヴィッツレース等の車両走行によりレコードライン付近は乾き始めて行ったことでレース展開が全く読めない状況が重なる。
しかしながらトモアキ選手にとって富士スピードウェイは得意なコースであり昨年の特別戦ではポールポジションを獲得した実績もある。今回も何かが起こりそうな予感。
スタート直後混乱に巻き込まれる事もなく、冷静にスタートを決めレース序盤からコンスタントにタイムを刻むトモアキ選手、周回を重ねるごとに順位を上げ、8周目に5位までランクアップ!
そのまま強豪ひしめく上位勢の中で順位をキープし、今季最高順位の5位でチェッカーフラッグを受けた!
今まで蓄積してきたデータ、積み重ねてきた分析が活かされた瞬間でもあり、各自が役割をしっかり果たす事ができ、チームの成長を実感できるレース結果となった。
チーム コメント
今回で2回目の特別戦への参加となりました。
繰り上がり参加となった前回と違いTOP20に入り、自分達で勝ち取った出場権であり、昨年以上に参加チームの盛り上がりを感じながらも大阪トヨタ86レーシングチームとして、シリーズ戦最高位以上の結果を目指し挑みました。
雪の影響でレースウィークに持ち込んだメニューがこなせずにぶっつけ本番となったレースでありましたが、「実力テスト」とチームで理解し全力投球で、
今持っているチーム力を試す良い機会となりました。
結果、「予選シングル・決勝5位」と最低限の目標もクリアすることができ、チームの成長を感じた良い締めくくりとなりました。
来年度は「当社創立90周年」を向かえ、より一層盛り上がり、社員の皆様と一緒に喜び合いたいと思いますので、ご支援を宜しくお願い致します。
一年間、ご支援いただいたサプライヤー各社の皆様方には来年度の活躍を約束いたしますので、引き続きのご支援をお願い申し上げます。本当に有難うございました。
Vol.08 TGR 86/BRZ Race 2016 鈴鹿サーキット
2016.11.02
2016年シーズンもいよいよ最終戦!鈴鹿サーキットが舞台となる。
前回の第7戦十勝にてシリーズチャンピオンは決定しているが、大阪トヨタ86レーシングチームにとってはシーズンを締めくくる大切なレース。
事前に鈴鹿にてテストを行い初の表彰台を目指しレースに挑む。
前回よりグッドイヤー(GY)・ダンロップ(DL)タイヤ勢も復活の兆しを見せ、ブリジストン(BS)、ヨコハマ(YH)を含めたタイヤメーカーバトルも最後に盛り上がる状況で最終戦が繰り広げられる。
スーパーフォーミュラーも開催され、路面状態の変化がマシンのコンディションに大きく影響を与えることが予想され、日々の対応が順位を決するレースになるであろう。
10月27日(木)練習走行
鈴鹿サーキットの事前テストを基に、セットアップを行ってきたメンバー達に見守られ練習走行が始まる。
十分に準備は行ってきたが、エンジニアにとっては不安に押し潰されそうな気持と期待に胸を膨らませる気持で複雑な心境である。
初日の練習走行予定は4枠、32号車に乗りこんだトモアキ選手は早々に好タイムをマーク。
メンバーの気持ちが高まる。この調子で予選は5番手以内を目標に事前に予定していたメニューを順調にこなしていくが、明日の公式タイム計測(専有走行)は雨の予報。
チームは急遽作戦変更を余儀なくされる。走行枠を1枠増やし、明日の雨に備えたセットアップを行い初日が終了。
86/BRZレースでのエンジニア研修は今回2名が参加、テスト走行を含めると5名が新たに86レースに加わった。
10月28日(金)専有走行
2日目、本日よりテントを張ってのパドック作業となる。
走行枠は練習走行と専有走行の2枠。
天候は予報通り曇りから雨となり、エンジニアは雨が降る前に手際よくレースカーの整備を済ませ専有走行に備える。
昨年とは違いエンジニア達の動きも見違えるほど向上し今年の成績に繋がっている。
公式タイムアタック(専有走行)では、シーズン中盤から上位を占めるブリジストンタイヤ(BS)勢が今回も好タイムを叩き出し、1位から3位を独占。
4位から6位はグッドイヤータイヤ(GY)・ダンロップタイヤ(DL)勢となり、GY・DL勢の反撃が予想される結果となる。トモアキ選手は雨の降る中、順調に周回を重ね見事5番手タイムをマーク。
しかし、雨の中で出走していないトップドライバーもあり、実質10番手と見るのが妥当であろう。
エンジニア達は雨のセットから素早く晴れのセットに変更し明日の予選に向けた準備を終え2日目を終了した。
10月29日(土)予選
3日目、天候は晴れ。予選にアタック出来る時間は20分間。
ベストタイムを出すために、コースが綺麗で一番コンディションの良い先頭を陣取ろうと各チームが慌ただしく動き出す。
トモアキ選手は落ち着いて32号車をコースへと走らせる。
入念にアウトラップをこなしアタックに入ったが、第7戦の十勝予選に引続き、またもや予選でのトラブルが発生、他車がガス欠の為コース内でストップ、赤旗中断となる。
マシンをピットに戻し再スタートを待つトモアキ選手。86/BRZプロクラスでは、予選一周で好タイムを出すことは容易ではない。
そんな中、再スタートを切るトモアキ選手は果敢にタイムアタックを繰り返す。
しかし、赤旗中にタイヤのおいしい部分を使い切ってしまいタイムが伸ばせず15位で終了。
練習が好調であっただけに、好タイムを出そうと周回が多くなったことで決勝のタイヤコンディションに不安を残す結果となってしまう。
チームは決勝に課題を抱えながらも気持ちを切り替え明日に備え入念にミーティングを行い、決勝用のセッティングに変更。
入賞圏内からのスタートが叶わず、悔しい予選となりました。
10月30日(日)決勝
朝から快晴。今回の決勝レースには、大阪トヨタの「来年度内定者への研修」を実施する。
第2戦岡山国際サーキットでは「新人エンジニア研修」を実施。
大阪トヨタは社員のモチベーションアップ、「エンジニアのやりがい向上」と「車好きを増やす」をテーマに研修体を取り入れ、86/BRZレースにおける社員育成にチャレンジしている。
今回は、応援・研修生を含め、総勢50人余りの社員が大阪トヨタのパドックを取り囲む。
トモアキ選手自身がマイクを取り、講師となり楽しい講話も行われる。初めてサーキットに来る研修生はレースカーの説明に熱心に耳を傾けた。
応援者は、32号車のメインカラーのピンク色のタオルを掲げ、32号車を決勝グリッドに送り込む。トモアキ選手は、15番グリッドからスタート。
好スタートも1コーナーの混乱で順位を落としてしまう。クラッシュするマシンがいる中、予選で酷使したタイヤと相談しながら冷静にレースを運び、前方車をパスし続け順位を戻すがタイヤも限界に達し、後半はペースが上がらず15位でチェッカーを受ける。
後に駆動系にトラブルが判り、ペースが上がらなかった要因とも考えられるが悔しい最終戦となりました。しかし、レース後もトモアキ選手は内定者や応援者へレースの醍醐味を語り最後まで楽しませてくれました。
このレースウィークを通じて、「会社の為に!チームの為に!」と抜群のコンビネーションを発揮してくれたエンジニアや来年度から仲間として大阪トヨタで一緒に働く内定者の皆様、本当にお疲れ様でした。
この経験で得た自信や楽しさをもとに、しっかりとお客様の車のメンテナンスとアドバイスをお願いします。
チーム コメント
今回は今年の締めくくりとなり、たくさんの応援者が見守る中でのレースとなりました。
事前の練習走行でも好タイムを出していたこともあり、今年の最上位を狙いチーム一丸となることをテーマに戦いましたが、他チームのパフォーマンスもすばらしく、まだまだチーム力の不足を実感することになりました。
今シーズンの反省をしっかりと行い次のステップに向かってチャレンジして行きたいと思います。
シーズンを通してサポートいただいたサプライヤーの皆様、本当にありがとうございました。
今シーズンは少しだけ成長した大阪トヨタ86レーシングでありましたが、チャレンジ精神だけはまだまだ持ち続けていきますので、今後ともよろしくお願いします。
最後に、テストにレースにとエンジニアの皆様、ありがとうございます。
レースに参加し何かを感じ、今後も店舗で成長していって下さい。
また、活動を支えてくださったスタッフ、レース活動に理解を頂きチャレンジする機会を与えてくださった会社に御礼を申し上げます。
Vol.05,07 TGR 86/BRZ Race 2016 十勝スピードウェイ
2016.10.05
今回は震災で中止となった第5戦オートポリスの代替戦と第7戦十勝スピードウェイの2戦を「予選~決勝を1日で行う1DAY 開催」することになりました。
従来通り獲得ポイントが1.5倍になるレースとなり、ここで一気に年間チャンピオンの行方が決まることになると同時に、ポイント挽回も可能になるため、トップレーサー達も前乗りでサーキット入りを行い準備を重ねて来ている。
9月29日(木)練習走行
初日の練習走行はあいにくの雨となり予定したメニューを消化することができない。チームは予定を変更しタイヤのチェックやブレーキの当たりつけを行う程度で走行を終了した。
そんな初日の状況で、ブリジストンタイヤ(BS)勢だけはウエットコンディションでダントツの速さを見せた。
明日以降は天候の回復が予想されるが、間違い無く今回もBS勢を中心にレースが動くと思われる。
9月30日(金)専有走行
快晴に恵まれた2日目。朝の練習走行から地元北海道出身でチームグッドイヤーレーシングの平中選手が好タイムを叩き出す。
チームメイトの元嶋選手、OTG服部・吉田選手も好タイムをマークし、予想を覆しグッドイヤータイヤ(GY)・ダンロップタイヤ(DL)勢が反撃を開始した。
久々にBS勢一人勝ちとはいかない展開に持ち込めるのか?どちらにしても面白くなりそうだ。
我がチームに関しては、GY・DL勢の好調の波に乗れず一歩出遅れたスタートになる。
プロクラスのエントリーは28台。
前回のペナルティを引きずる第5戦は予選上位は必須となるが、日曜日の第7戦も見据えた作戦に切り替え、練習走行~専有走行を消化することにした。
専有走行の順位は14位と中位に留まり苦しい展開が予想される。
第5戦で試すべくセッティングをエンジニアは夜遅くまで実施し2日目を終える。
今回も店舗からエンジニアが参戦し、チームの一員として頑張ってくれている。
86レースに参加するエンジニアは口をそろえて言う言葉がある。
「こんなに過酷な仕事とは思わなかった。もっとのんびりレースを楽しむものだと思った。」と・・。まだまだ本番はこれからなのである。
10月1日(土)第5戦 予選・決勝
予選・決勝の1DAYラウンドが幕を開けた。
大阪トヨタ86レーシングとしてはこの戦いは課題を確認し、明日の第7戦の入賞に繋げるレースになる。
予選は1番先にコースインしたGYチームの2台が好タイムをマーク。
平中選手がポールポジションを獲得し、チームメイトの元嶋選手が3位となる。
2位は調子を上げてきているBRZ(スバル)に乗る井口選手が入った。
GY・DL勢では服部選手が8位と健闘するが、やはり上位はBS勢が並び、ヨコハマタイヤ(YH)勢は12位の青木選手、13位近藤選手、14位谷口選手と苦戦の展開となる。
トモアキ選手は15位となり、決勝は前回のペナルティで22番グリッドからの出走となった。
決勝レースは14周。ジャストスタートに成功したトモアキ選手はファーストラップで早くも3台を抜き去りメインストレートに帰ってくる。
抜きどころの無い十勝スピードウェイであるが、周回を重ねるごとに順位を上げるトモアキ選手。
22番手グリッドスタートも最後は予選順位の15位まで戻しチェッカー。
優勝はBRZに乗る井口選手が初優勝を飾り、スバル勢として86/BRZレース初の栄冠を手にした。
YH勢では青木選手が5位と実力を示した。
ピットに戻ったトモアキ選手はレースでの32号車のパフォーマンスを説明し、
明日の第7戦1DAY第2ラウンドに備えたセッティングをエンジニア達と共有し、
まずは「予選10位以内、決勝でポイント獲得できるよう」に夜遅くまで整備を行い明日のレースに備える。
「今回は各自がテーマを持ち込んでチームが一つになること」を目標にしてきた。
明日のレースでしっかりと結果を残し目標を達成することができるのか?
10月2日(日)第7戦 予選・決勝
1DAY第2ラウンドの予選が始まる。
各チーム、昨日のデータを基にセッティング変更等の工夫を行い挑む。
YH勢の近藤選手は、何とBSタイヤを使用するという衝撃の幕開けとなった。
コースは昨日同様、GYチームの2台が先頭に並びコースイン。アウトラップを終えアタックに入る各マシン。
明らかに昨日を上回るタイムでセクターを駆け抜ける。
先頭を走るGY平中選手が驚異的なタイムで最終コーナーを立ち上がった瞬間マシンはグリップを失いスピン。
平中選手を上回るペースでピタリと後方につけていたチームメイトの元嶋選手は、とっさに平中選手のマシンを避けるが、自身がコースアウトしウォールに激突、マシンを降りることになった。
予選が赤旗中断となる波乱の第2ラウンド。アタックをかけていたマシンはタイヤが一番良い状態の周回を失うことになる。
上位を狙っていたトモアキ選手もベストラップを失うことになるが、諦めずに再スタートでタイムを整える。
トップは前日優勝の井口選手、2位にシリーズをリードする佐々木選手、シリーズ2位の阪口選手と続き、4位にYHからBSに履き替えた近藤選手が入った。
トモアキ選手は9位となり、入賞圏内で予選を終えた。
チームは目標に向けた第一関門を突破し、決勝に向け最後の作業に入る。タイヤを確認しセッティングの微調整を行う。
決勝でのベストパフォーマンスを願いマシンを仕上げることになる。決勝の幕が開けた。
3位の阪口選手が出遅れ、前半戦は井口選手が逃げる展開となる。トモアキ選手はスタートで青木選手に交わされるが、粘り強くレースを進める展開で入賞圏内の10位をキープする。
第2集団では混戦の中、近藤選手がマシンを痛めリタイヤとなる中、YH勢の猛チャージで織戸選手、青木選手がトップに絡むデッドヒートを展開。
混戦の中、佐々木選手が井口選手をパスし後続を引き離し優勝。今シーズンのチャンピオンを決めた。
トモアキ選手は最終ラップで平中選手をパスし、8位でチェッカーを受け、2戦ぶりにポイントを獲得した。
チーム コメント
連続ポイント獲得が途切れ、仕切り直しの2ラウンドレースとなりましたが、チームのメンバーは各自がテーマを公表し合いチームワークを高めて挑みました。
研修で参加したエンジニアを含め「チームが一つになる」ことで、最善の結果が出せたレースです。
前回、ポイント獲得ができずに悪い流れに飲み込まれそうになるところを、エンジニア達が自らが協力し合い修正できたことが一番の収穫でそれぞれの成長がうかがえました。
毎回メンバーも変わる中、一つの目標を必死で追いかけて成長するエンジニア達を見ているととても頼もしく感じます。店舗に帰ってもこの経験を活かしてほしいと思います。
ディクセル様のおかげでブレーキの信頼性が上がり、タイヤの使い方に集中できることや、テスト走行でセッティングのデータが増えてきたことがチーム力を上げている要因だと思いますが、今後も「好奇心と努力」を継続し、応援してくれている皆様に良いレースをお見せしたいと思いますので、引き続きご支援をお願いいたします。
最終戦、鈴鹿の応援お願いします!
Vol.06 TGR 86/BRZ Race 2016 富士スピードウェイ
2016.09.07
9月1日(木)練習走行
第5戦オートポリス(大分県)が10月に振替開催(十勝)となり、3か月ぶりで後半戦がスタート。
富士のレースは参加チームがプロフェッショナルとクラブマンの両シリーズ合わせて最大級のエントリーとなる。
チームはテスト走行を通じてできる範囲での準備でレースに臨んだ。
初日の走行枠は3枠を予定、サーキットの状況を確認しながらセッティングを合わせ込むことになる。
路面コンディションと持込みセッティングの確認といきたいところだったが、いつも通り厳しいスタートとなる。
何と今回も前回同様エンジンのパワーが出ないトラブルからのスタートとなった。
1枠目から明らかにパワーダウンが見られタイムも出ない状況で、初日からエンジニアは対応に追われる状況となりました。
午後の走行枠を増やしマシンの確認をすることになり、セッティングを合わせ込むということまでは程遠い状況で初日を終了。
全体的には今回も新型タイヤをリリースしたBS勢が強く、YH勢も2年連続チャンピオンの谷口選手が好調な滑り出しを見せた。
明日は専有走行となるが、準備しているメニューをしっかりこなして頑張るのみ。
今回の研修生は3名、新メンバーが加わり戦う大阪トヨタ86レーシングの奮起を期待しながら初日を終えることとなった。
9月2日(金)専有走行
初日の悪い流れを変えることができるかが2日目のポイントとなる。チームはGY・DL勢の中でも中盤に沈む中からのトライとなります。
早朝の練習走行の感触はマシンの回復が今一つ、専有走行に向けて走行データーをチェックしドライブのシュミレートを行うトモアキ選手とエンジニアは真剣そのもので近寄りがたい雰囲気が漂う。
専有走行は予選順位を上げるためのマシンセッティングのみならず、精神的にもチームにとっては大きなアドバンテージを与えるため非常に大切な走行枠となる。今回も上位はBS勢、YH勢と続く中、GY・DL勢でワークスの平中選手、OTG吉田・服部選手が上位陣に食込む中、トモアキ選手は26位と上位に喰らいつくことすらできない展開となった。
明日のサーキットコンディションを予測しながらセッティングを変更、決勝戦も睨みながら調整を済ませ2日目が終了。
夜は恒例のトモアキ選手が研修生対象に食事を囲いながらの講和の時間となる。
予選前日で気を緩めることが出来ないトモアキ選手だが、エンジニア達にレースの醍醐味などを楽しく話してくれる。
今回も女性社員活躍のプロジェクトチームのメンバーや同行した女性社員も一緒にトモアキ選手の話に耳を傾けながら、決戦に向けてチームの団結力を高めることになりました。
明日は、遠路応援に駆けつけてくれる社員を含めて、32号車にパワーを送り込みたいと思います。
9月3日(土)予選・決勝
今回の富士スピードウェイ86/BRZレースは土曜日の1DAY開催となる。朝早くから各チームは準備に追われる状況で決戦の幕が開けた。
トモアキ選手は朝から集中モードに入る。チームの緊張感も高まり、昨日とははっきりと空気が違う。
予選から応援者が入るのは初めてのことになるが、応援者にも伝わるほどの緊張感で決勝レースとは少し違った醍醐味を感じてもらうことができた。
予選はBS勢とYH勢にGY・DLがどこまで抵抗できるかが見所である。トモアキ選手は冷静にコースインし、慎重にアウトラップを刻み勝負を賭けるがタイムが上がらない。
15位のタイムでマシンを降りて予選を見守る形をとるが最終順位は23位となり、今シリーズ最下位に沈むことになった。
パドックに戻るトモアキ選手の表情はさえないが、全てがうまく行かないと中盤に沈んでしまうのがプロレーサーの意地がぶつかり合う86/BRZプロクラスである。
今回も3位以下23位までが1秒以内という大熱戦の予選であった。夕方からの天候変化も考えられエンジニアは対応に追われることになる。エンジニアはお昼の食事も喉を通らない状況で決勝に向けての時間を過ごすことになった。
平成28年9月3日、定刻の16時55分。予定通り86/BRZレースプロクラスの決勝がスタートした。
ジャストスタートに成功したトモアキ選手はスタートで数台をパスし第1コーナーに飛び込むがここで他車と接触しコースアウト、トップグループでも2位・3位が接触し、1周目からセーフティーカー(SC)が入る波乱の幕開けとなった。
何とか体勢を維持しコースに復帰したトモアキ選手は、ファーストラップで14位まで順位を上げメインストレートに戻ってきた。
3周のSC走行の後、再開したトップドライバー達の意地のぶつかり合いはトップで逃げる佐々木選手以外はどこのグループでも白熱した展開となった。
トモアキ選手も予選から10番手上げ13位でフィニッシュ。決勝のラップタイムは最終ラップでも予選を上回るという猛チャージを見せてくれた。
決勝レースはスタート直後、第1コーナーでのハプニングから始まり、最後までハプニングが続くことになる。
何と荒れた決勝レースはSC走行中の追い越しを含め、ペナルティが14台という過去に例が無い終演となり、第2集団を形成していたトップドライバー達が下位に沈む正式結果となった。
しかし、結果的には余裕の完全優勝を飾った佐々木選手や意地のファステストラップの阪口選手など、BS強しの印象が大きくクローズアップされた今回の富士スピードウェイとなりました。
チーム コメント
3か月のインターバル後の戦いとなりましたが、今回は完敗といった内容で終わりました。
レースウィーク中のコミュニケーションの改善が図れず下位に沈む結果となりました。
また、ペナルティも受け次回にも課題を残したことなど反省することばかりです。
準備からもっと繊細に行うことや特にレースウィーク中を冷静に進めることが最大の課題です。
スポットを浴びるドライバーと縁の下から支えるエンジニアがお互いを認め、メンバー一人ひとりが理解し協力し合うことが必要です。
もう一度原点に振り返って、弱小の素人集団が結果を出すには、速いマシンを創り上げるための愚直な努力をしていきたいと思います。
良い道具をねだるのではなく良い仲間を求めて強いチームにしていきますので、我々を信じて応援いただいているサプライヤー様や多くの社員の皆様方におかれましては、今後も変わらず大きな支援を賜ります様にお願い申し上げます。
まだまだカイゼンを行いチャレンジして行きたいと思いますので期待しておいてください。
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