Vol.09 TGR 86/BRZ Race 2015 富士スピードウェイ
2015.11.25
11月20日(金)専有走行
TGRF富士スピードウェイ特別戦、「今回初めてプロクラスとクラブマンクラスのトップ20が争う公式戦認定されたレース」 に、大阪トヨタ86レーシングチームも出場することになった。
前回鈴鹿戦で終了した今年度の86/BRZ活動でありましたが、来年度を見据えた中で、もう一度本年度の総括と2号車のテストを兼ねて参加。
時間の無い中、前回同様、店舗協力で2号車の調整にとりかかり、ようやく参加に漕ぎ着けました。
2号車のデビュー戦となる今回のレース。初日から専有走行が3枠あり、6位⇒3位⇒2位と好タイムを出しマシンの仕上がりを確認。
どうやら、2号車の仕上がりは良さそうです。
今回は監督・ドライバーを含め、このレースに携わる全スタッフが「各自のテーマ」を公表し合い、チャレンジしました。
それぞれが役割をしっかり果たすことで、2号車のデビュー戦として良い結果を出し、来季への準備としたいと思います。
11月21日(土)予選
今回のレースは各自の課題どおり普段よりも活発な意見交換を予選直前まで行い挑むことになりました。
トモアキ選手は細かくエンジニアに意見を交わし、エンジニアはドライバーとマシンをより良い状況にコントロールすることに集中し、「みんなの意見が通う車」となりました。
アウトラップを完璧にこなし、アタックに入るトモアキ選手。
しかし前方の車両がスピンしかけたため、急遽アタックを止める。
タイヤが一番いい状態での周回で、まさかのスローダウン…しかし、冷静に車両をコントロールしチャンスをうかがい再度アタックを仕掛ける。
決勝でのタイヤの負担を考えると、もうミスはできない状況での再アタック。 電光掲示板の一番上にゼッケンNO.32が点灯。
トモアキ選手は、車両をピットに向けた。「ポールポジション獲得!」車を降りたトモアキ選手とエンジニアは涙を流し抱き合う。遂に努力が実った瞬間である。
アマチュアドライバーと経験の無いエンジニア達が、“一つの夢“を叶えた瞬間でした。
一番上に灯る、No.32トモアキの文字
11月22日(日)決勝
TGRFの観客が前夜から徹夜で押し寄せた決勝当日、いつもとパドックの様子が違う。ポールポジションを獲った車を観ようとたくさんのお客様が大阪トヨタチームを訪れた。
決勝レースはローリングスタート型式となる。周りは経験豊富なGTシリーズのプロドライバーばかり。
アウトラップを終えた車両がスタートラインに戻り、スタート!
GTドライバー達がポールポジションのトモアキ選手をパスして行く。3番手まで落ちたトモアキ選手は各セクターを前方車より早いラップで刻んで行く。
2番手の佐藤選手をメインストレートで捕え、イン側からブレーキ勝負をしかけてパス。ディクセルブレーキの信頼性の高さが証明された。
後はトップの青木選手のみ、トモアキ選手は残り3ラップで青木選手に追いつき、第1コーナーから併走するが、さすがに青木選手はプロである。
三つ巴の激戦を制し、トップでチェッカー。トモアキ選手は2位、3位に佐藤選手となった。
初の表彰台でシャンパンシャワーを浴びるトモアキ選手と見守るエンジニア達、今回のテーマが完結した瞬間でありました。
しかし、その後の協議で佐藤選手をパスした時の走路がピットロードの白線をまたいでいたとの判定が下され、40秒のペナルティが課されることなり結果18位となるも、エンジニア達の顔は「ポールポジションと2位フィニッシュ」の満足度に溢れるものでした。
チーム コメント
今回の特別戦の結果は、各自の成長の証であり、レース経験の無いチームでもトップ争いまで成長でき、楽しめるレースであることを確認できました。
今回参加したエンジニアからは、ポールポジションは今まで活動に携わってくれた全ての店舗スタッフの成果であることと、レース場内外でサポートいただいた関係者の皆様、そしてエンジニアが成長できる場を提供してくれた会社に感謝する言葉に溢れていました。
この一年は、全てが初めて体験する活動として、本当にいろいろな勉強の場となりました。
本年を基に来年の土台作りも出来ました。今後、会社ではこの経験を活かし、常にチャレンジし、成長する大阪トヨタ精神を各取組みに活かしています。
レースは2位でゴールしながらペナルティと、大阪らしく最後に“オチ”までつけてしまいましたが、これも大阪のチームということで、応援してくださった皆様方、許してくださいね!
来年も頑張りますので、懲りずに応援お願いします。
Vol.08 TGR 86/BRZ Race 2015 鈴鹿サーキット
2015.11.11
11月5日(木)練習走行
今回はシリーズ最終戦となる鈴鹿サーキットでの挑戦になる。
思えば今年の1月初旬より86レースに向けて車作りに入り、ここ鈴鹿で初めてのテストランを行った思い出深いサーキットである。
参加メンバーも随時入替り、店舗でのメンテナンス活動を含め約90人のエンジニアがこの86をメンテナンスしてきた。
今回の遠征メンバーは新しく3名(新人・3年次・6年次)が参加、エンジニアの研修の舞台としてのオペレーションも進んだ。
そして、いよいよ2号車の整備も完了し、この鈴鹿でデビュー戦を向かえる。 はたして、「2号車の速さはどうなのか?」・「持込み時のセットアップはうまく行ったのか?」等、エンジニアは期待と不安を胸に抱きながら鈴鹿に乗り込んだ。
初日の練習走行、2号車に乗ったトモアキ選手は好感触をつかんだ。タイムは上々で他の強豪チームに対しても引けを取らない。
ターゲットは5番手以内!しかし、あらかじめ練ってきた戦略(ストラテジー)通り消化しようと思った瞬間ミッショントラブルが襲う。
最終の練習枠まで順調に来ていたのにまさかの展開となった。 エンジニアは素早くミッション交換を行い2日目に向けて準備を済ませ初日を終了。
11月6日(金)専有走行
今回の鈴鹿は公式のタイムアタックとなる専有走行が3枠ある。
まずは前日のミッショントラブル後、最初が午前中の一本目。
スピードが出ない・・・、昨日のミッションブローの後、はじめての走行となるのだが、「度重なるトラブルか?」TRAの車両診断チェックを受けるが異常は見当たらない。
エンジニアは知恵をしぼり、2号車の回復に努める。次枠までに出来うることを実施し、午後の専有走行に挑むことになった。
午後の専有走行に入るトモアキ選手、タイムが上がらない。 セッティングを繰り返すエンジニア達の努力も実らず車両の状態は変化しなかった。
明日の予選は予選落ちも考えられる状況となり、1号車への車両チェンジを決定。車両を変更するとなるとイチからセットアップに入ることになる。
エンジニア達は夜遅くまで1号車の作りこみに時間を費やした。天候の悪い中、現地で奮闘するエンジニアを観ていると、本当に頼もしく感じる。
今回初めて一緒に仕事をする者達が助け合い着々と作業が進む。 チームは「1号車へ有終の美を飾らせよう」と気持ちを込めて車両を仕上げた。
11月7日(土)予選
1号車の出来栄えはどうなのか?今回鈴鹿での最初の走行が、一番重要な予選走行へのチャレンジとなる。
トモアキ選手は今回初めてのドライブする1号車をコースへと走らせる。
入念にアウトラップをこなしアタックに入ったが、86/BRZプロクラスでは、一発予選でタイムを出すなど容易ではない。
そんな中、トモアキ選手はミスなくドライブを行う。現状、セットアップも煮詰め切れていない1号車を予選15位に押し込んだ。
エンジニア達も予選通過にホッとした表情を浮かべながら早速、決勝レースを見据えた車両整備にとりかかる。
明日の天候は雨が予想され、ウエットセッティングへの変更を行い決勝レースに挑むことになった。
11月8日(日)決勝
朝から予想どおりの雨模様。今回のレースへは大阪トヨタの「2年次エンジニア研修」と「来年度内定者への研修」を実施する。
第2戦岡山国際サーキットでは「新入エンジニア研修」を実施、昨年も2回、「年次別のエンジニア研修」を行い、86/BRZレースにおける社員育成にチャレンジしている。
近年みられる若者の車離れ、整備士希望者の不足や離職など、自動車業界にとっても車に興味を持つ若者づくりが、社内・外共に必要となる。
大阪トヨタはこのレースをきっかけに社員のモチベーションが上がり、エンジニアのやりがい向上に繋がればと取組んでいる。
「車好きReBORN」をテーマに研修体を取り入れチャレンジ中だ。
トモアキ選手の会社の慰安旅行も企画され、応援・研修者を含み、総勢150人余りの社員達が大阪トヨタのパドックを取り囲む。
そんな中、研修は「86/BRZレース」で車を学ぶ内容を企画、先生役となりトモアキ選手自身がマイクを片手に実施した。
初めてサーキットに来る者やレース車のシートに座りハンドルを握り話しをかわし合う者。
雨で足元が悪い中、笑顔が一杯だ。エンジニア達も満足そうに質問に答えていた。みんなが見守る中、拍手と共にトモアキ選手は決勝レースに向かう。
マシンセッティングに不安を抱えながらスタートラインに着いた。
15位から序盤で9位まで順位を上げ、初入賞も期待されたが、その後はセッティング不足があらわれタイヤのグリップが不足し、雨の中コースにとどまるのが精一杯の状況の中、最後まで走り切ったが19位でチェッカー。
応援者が帰路に着き雨が激しくなる中、エンジニア達は本当に仲良く後始末を実施した。
今回は1・3・6・11・16年次の5名が参加、全員が違う店舗で働くエンジニアでしたが、このレースウィークを通じて、年次に関係なく「会社の為に!」と抜群のコミュニケーションを発揮してくれました。
本当にお疲れ様、店舗に戻ってもこの経験で得た自信をもとに、しっかりとお客様の車のメンテナンスとアドバイスをお願いします。
チーム コメント
今回は2号車のデビュー戦にしようということで、店舗の協力で車作りを実施し挑みました。
初日の練習走行ではトップに近いタイムを計測するなど手応えを掴んでいる中、トラブルにみまわれ1号車に車両変更することになりました。
今までと違う決断を伴う状況も生じながらも現地のスタッフは柔軟に対応してくれました。
最終戦という節目の鈴鹿サーキットでチームの対応力の向上が見られ、また、社員の成長もしっかりと確認できました。
店舗や年次の違うエンジニア達の協力し合う姿を、この86/BRZプロクラスレースで見られたことは今後の社員づくりに役立てることができると思います。
現地に来ているメンバーは常に「我々が今回の会社の代表である」との自覚を持ち「会社の為に頑張る」という声がレースウィークを通して聞こえてきました。
この活動に感謝し、この活動から「車好きReBORN」が前進すること、「働き甲斐のある会社づくり」に貢献できればと想います。
今年一年を通じ、サポートしていただいたディクセル・グッドイヤータイヤ・ワコーズをはじめとするするご協賛各社の皆様方におかれましては、感謝の気持ちで一杯です。 本当に有難うございました。
Vol.07 TGR 86/BRZ Race 2015 富士スピードウェイ
2015.09.30
9月24日(木)練習走行
今シーズン2回目となる富士スピードウェイでのトライ。
今回も新しいメンバー2名が加わり、前回の惨敗の屈辱を払拭するために引継ぎも兼ねた事前のミーティングを行い乗込むことになりました。
本戦前の事前練習は雨で流され861号車はぶっつけ本番で挑む形になったものの、レースウィーク初日のタイムはまずまず。
考え抜いてセットした持込み時のセッティングは良好である。 翌日は雨模様のためレインセッティングに変更し初日を終える。
9月25日(金)練習走行
朝から雨。雨の中ではエンジンパワー不足による影響は少ない。
861号車も第4戦菅生で始まったエンジンのパワーダウンについては原因がつかめない状況(エンジン個体差?)である。
車体はイーブンのはずのワンメイクレースの中にあっても個体差が発生するのが現実。
そこが逆にエンジンをチューニングできない86/BRZレースの難しいところである。
路面が濡れた状況でアクセルを踏込むとスリップを起し車両のコントロールが難しくなる。
すなわち、エンジンパワーに頼った走行は出来なくなります。そんな状況下、トモアキ選手は絶妙のマシンコントロールを見せ、全体でのトップタイムを叩き出した。
エンジンに戦闘能力があるとトップが見える。ウエットコンディションであるが、今シーズン初めてのトップタイムで希望が見えた。
しかし、喜びもつかの間、今回もトランスミッションに不具合が発生し緊急作業、エンジニアはコミニュケーション良く作業を行い2日目を終了。
ジャッキアップでのトランスミッション脱着はかなりハード!!
しかも2年次の白倉さん(吹田店)にとっては、初めての作業にチャレンジ。
先輩の松永さん(生野店)について、しっかり作業に取り組んでいました。
9月26日(土)予選前日
この日の86/BRZレースプロクラスの走行メニューは専有走行1回のみ。
昨日好調のウエットコンディションからドライコンディションでの走行となり、エンジンパワーに不安を抱えるチームとしては、ストレートのタイム差を埋めようとセッティングの工夫に取組む。
しかし、決め手が見つからないまま専有走行の時間をむかえる形となり、トモアキ選手のドライブにゆだねるも、結果は22位と沈むことになる。
走行をミスなく終えたトモアキ選手も何とも言えない表情を見せる。ここ数戦レースウィークが進むにつれ、エンジンパワーが低下する現象に悩まされている。
エンジンの個体差なのか?それとも何か故障を抱えているのか?TRAにエンジンチェックを申し入れ確認するが、原因不明の中、エンジニアは頭を悩ませながら、明日の予選に備え最善のメンテナンスを行う。
9月27日(日)予選・決勝
今回の86/BRZレースプロクラスは1DAY開催である。午前中に予選を行い、午後から決勝レースを行う。
エンジニアは前夜のメンテナンスの結果に望みを託しながら、トモアキ選手のドライビングを見守る。
トモアキ選手はエンジンのパワー不足を補うべく前方車の真後ろに付き風の抵抗をなくすスリップストリームを最大限に使う作戦で上位チームの後方に位置取りスタートを切る。
しかし、スリップストリームの状況下でも直線では引き離されるという非常に厳しい状況で予選を終了。
26位となり前日の専有走行よりも下位に沈む。完璧なセッティングとドライビングを持ってしても、レースウィーク初日よりもタイムが遅いという結果になった。
エンジンパワーの低下がそのまま結果につながる最悪の状況で決勝を向かえる。
決勝グリットは前回レースのペナルティの10グリット降格処分を受けて、今シーズン最後尾となる36位/42台からのスタートとなる。
10周のスプリント競技となるレースにおいては、上位進出は絶望的の位置であるが、トモアキ選手は最大のパフォーマンスを見せ少しでもエンジニアの努力に答えようとレース前から集中する姿が見られる。
決勝はドライコンディションでのスタートとなるも、直前に雨がぱらつき一部のコース上が濡れた状況である。
トモアキ選手はスタートに集中しつつもコースコンディションの変化を見逃さない。周回ごとに順位を上げるトモアキ選手!最後尾近くから怒涛の追い上げを見せる。
強豪ひしめくプロクラスのレースの中で17台抜きという驚異的なレースを演じてくれた。 結果は19位に終わるものの、エンジニアと遠路応援に来てくれた方々に感動を与えてくれました。
チーム コメント
今回は戦前からペナルティ加算が決定している厳しいレースということもあり、持込み時のセッティングを大きく変更して臨んでみました。
また、ディクセル様からニュータイプのブレーキパッドを提供いただき、残り2戦を有効に戦う準備をして来ました。
エンジニアの引継ぎのレベルも徐々に向上し、現場でも直ぐに戦力になっていました。
結果は今回もエンジンのパワー不足に悩まされましたが、タイヤと足回りのセッティングはしっかり決まり最終戦に向けた明るい材料も得ることができました。
レースウィークを通してもウエットコンディションでトップタイムを計測できたことで、条件がイーブンなら勝負できるという確信を持つこともできましたし、決勝でのトモアキ選手のパフォーマンスは見事で応援を含めた参加者全員が楽しめる内容のあるレースであったと思います。
残るは最終戦の鈴鹿サーキットです。参戦初年度の集大成の戦いになります。
一番近いサーキットでもありエンジニアの研修も企画しておりますので、応援を含め数多くの大阪トヨタファンの皆様の参加をお願いします。
Vol.06 TGR 86/BRZ Race 2015 十勝スピードウエイ
2015.08.26
8月21日(金)練習走行
十勝スピードウエイ(北海道)でのシリーズ第6戦、前戦のオートポリス(大分)に引き続き、大阪トヨタ86レーシングチームにとっては未経験のサーキットでの戦いとなる。
トモアキ選手にとっても初めてのサーキット、初日の練習日にどれだけコースを理解できるかが今回の課題である。
本日の走行枠は5枠、コースに慣れることに集中しながらも持込み時のセッティングを試すがタイムが伸びない。いろいろと試したいことが消化出来ない中、走行を繰り返す。
午前の練習でのタイムは今ひとつ振るわず、天候に合わせながらセット変更を試みるが、午後の練習走行でも良い感触を得られないまま時間が過ぎる。
予想以上に苦しむ中で今回もトラブルが発生、ギヤチェンジがおかしくなり走行終了となる。
エンジニアはミッション交換を行い、2日目に備える形となった。
はじめてのコース走行!タイムラップを計測するエンジニア
8月22日(土)予選前日(練習&専有走行)
朝から天候が悪い・・・、サーキットの路面はハーフウエットの状態。
何とか走行時間にはドライコンディションに変わるが、天候は引き続き不順である。
トモアキ選手とエンジニア達はパソコンで走行データーを観ながら分析を行い、タイムアップを狙う。
決められた時間で各自が役割をしっかりやり切ることが必要になる。エンジニアはセッティングに悩みながら・・・、トモアキ選手はドライビングの修正を考えながら専有走行に挑む。
1回目の専有走行は13位、昨日は何をしても出せなかったタイムである。練習でセッティング変更を繰り返し2度目の専有走行となるが、ここで雨が降り出しウエットコンディションに変わる。
ウエットセットでの専有走行も13位となるが、明日の予選・決勝はドライコンディションが予想される。2日目の走行はここで終了。
エンジニアはここからが忙しい。明日の予選に向けたマシンメンテナンスに入る。
今回も新しいエンジニアが参加しているが、ここは今までの経験が活かされ段取り良く作業をこなす。明日に向けた準備を終え、2日目終了。
8月23日(日)予選・決勝
昨日に引き続き天候不順の中、サーキットに向かう。
路面の状態が気になるところだが、ドライコンディションで予選・決勝を迎えられそうだ。
予選用のセッティングを行い車検をパス、後はドライバーに託すしかない。そんな中、予選が始まる。
ドライビングはミスなく走り切れた様に見えたが、タイムは伸ばせずに順位は20位に後退する。
十勝では現状のセッティングでは限界なのか?午後には決勝レースとなり、一台でも前に行けるようにと、ここからエンジニアは決勝用に、一からセッティング変更を試みた。
決勝開始、決勝用のセッティングでトモアキ選手は懸命にアタックを繰り返すも、乗り味に変化が見られない。
861号車は順位を上げることが出来ない。 14周で争う十勝のレース、最終周回までに何とか3台をパスし17位、あと1台でもと果敢に攻めたその瞬間、前方の車両と接触し22位に後退、そのままチェッカーとなる。暫定で22位となるも、その後の審議の結果、トモアキ選手の走行にペナルティが課され、30秒加算にて27位(最下位)に後退となった。
チーム コメント
初体験の十勝スピードウェイ、はっきり言って手も足も出ずに完敗でありました。
チームのオペレーションとしては問題は無く、今回も新しいエンジニアが参加し経験を積むことができました。
経験のないサーキットで天候不順が重なり、何もできずに終わったレースとなりましたが、経験としては参加したエンジニアの中に残ることと思います。
レースは勝つことが前提です。その目標の中で努力することが、社員の能力向上につながると思います。
今回の十勝では、ドライバーが初めて走るコースと不安定な天候、十分な練習が取れない等、悪条件での参戦となりましたが逆にそれがチームを大きく育てることになったと思います。
少し大きくなった「大阪トヨタレーシングチーム」に期待をすると共に、更に多くの仲間が参加してくれるよう願っています。
また、今回のペナルティで、次戦の富士スピードウェイでは予選順位が10着下がるところからのスタートとなり、苦しい戦いが予想されることになりますが、気持ちを切り換え、最善の状態で挑めるように準備をしっかりと行いたいと思います。
今回も力が出せない大阪トヨタ86レーシングチームに対して、現地でもいろんなチームの皆様方からアドバイスを頂きました。 本当に毎回お世話になり、ありがとうございます。
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